べっ甲について

 鼈甲(べっ甲)は南方の海域やカリブ海、インド洋の海域に生息しているウミガメの一種であるタイマイの甲羅・縁甲(爪甲)・腹甲を巧みに加工・細工した製品です。
 タイマイは赤道近くの暖かい海に生息し、大きいものは甲羅の長さが1メートル・体重が100キロまで成長します。また背中の甲羅は必ず13枚で、黒くなっている部分とアメ色になっている部分が混在し、まだら模様(いわゆるべっ甲柄)を形成しますが、アメ色の部分が多いほど珍重され、並茨布(バラフ)、中茨布、上茨布、特上茨布と色味によって呼び名が分類されます。また、アメ色だけで形成されている製品は腹甲を使用しており、白甲と呼ばれさらに貴重なものとなります。

参考資料参考資料

(参考資料:「江戸鼈甲」東京鼈甲組合連合会)

 

 タイマイの甲羅は成長にともない薄い層が幾重にも重なり、甲の厚みを形成しています。
これら1枚1枚の層の中には、コア(水分を通す管)があり、分厚い甲であっても共通のコアは決してありません。さらにタイマイの甲には保温力もあり、温めると自由に曲がるという特性があります。この特性はコアによることが科学的に証明されており、こうしたことからタイマイの甲(べっ甲)は、現在までのところ人工では作りえない、複雑な構造であることが証明されています。