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クシの修理

最近はクシの修理のご依頼が多いです。飾りクシのなのですが、理容クシも多いのです。ただでさえべっ甲細工は、修理をしてくれるところが少ないのですが、クシを修理してくれるところはもっと少ないのが現状です。まずは修理前の画像をご覧ください。
べっ甲 クシの修理

歯の部分は細工が細かいので、折れやすいです。べっ甲細工は本来であれば、折れたりしても、作るときのように材料を貼り合わせて、しっかりと修理ができるのですが、クシは細工が細かいので材料貼り合わせての修理が難しかったり、できたとしても新しく買うのと変わらないくらいの修理代がかかる可能性がございます。

理容クシに関しては、べっ甲職人の中でもクシを専門にやられている方が、作って、修理をしておりました。今はクシ専門の職人がいなくなってしまったので、今の所どのべっ甲屋もクシは在庫で持っているだけで、修理をしてくれるところはかなり少ないと思います。当店で修理をする場合は、折れ方や厚さにもよるのですが、厚さがあれば芯を立てて接着して、厚さがなければ接着してさらに補強をする方法になると思います。理容クシの場合は、実用的なものなので、強度を出さないといけないので大変です。

話がそれてしまいましたが、今回の飾りクシに戻ります。今回修理するクシは、厚さあるので芯を立てて修理ができるのですが、透明感のある白甲でできているため、芯が透けてしまうんです。透けてしまうけど、芯を立てて強度を出して接着するか、芯を立てずに接着をして裏側を補強をする方法の2通りです。見た目は後者の方がキレイです。でも耐久性は前者の芯を立てた方が強いです。

理容クシであれば、髪をとかすので強度があったほうがいいのですが、今回のような飾りクシの場合は、普通に使っていて、落としたりぶつけたりしなければ、また折れることは無いので、今回は、接着でくっつけて、裏側を補強しました。

表側からはじっくり見ないと分からないと思います。裏側を樹脂を盛って補強しましたので、少し膨らみがあります。今回の作業で¥3,300(税込)。べっ甲細工の修理は、色、厚さ、程度でだいぶ修理代金が変わってきますので、まずはご相談くださいませ。